鳩ノ巣だより

奥多摩に借りた一軒家で山里暮らしを楽しむ日々

御嶽の山で間伐に取りかかる

2024.1.10

御嶽駅に近い武田さんの山の木は5、60年前に植林したもので、みなけっこう太い幹になっています。その中から、頭(幹の先端)の無い木、腐りの入った木、大きく曲がった木、込んでいる所の木などを選んで切り倒します。

倒した木は数mずつに切り分け、枝を払い、なるべく等高線と平行になるように並べて転がり落ちないようにしておきます。そういうわけで、幹が横方向にたおれるように伐ったほうが後処理はラクですが、木の傾きや周囲の木の枝の張り具合をみてやむなく下方に倒すこともあります。
そうすると、ヒノキは強いので枝がブレーキになって斜面に止まりますが、スギの場合は太い枝でもポキポキ折れて幹だけが斜面を何十mもすっ飛んでいきます。木が止まった所まで下って、横たわった幹を斜面に平行になるよう動かすのがこれまた一苦労。まあ、そんなこんなで一日6、7本ぐらいしか伐り倒せません。

幹に腐りが入ってます。太くて真っ直ぐでも商品になりません

あちこちに点在する悪い木を見つけては切り倒します

相方のミキちゃんは疲れたのか思わず昼寝

 

仕事始め、まず山の登り口を下刈り

2024.1.5

暮れに山主の武田さんから頼まれていた御嶽駅の北側に広がる里山の手入れに着手。
ここ数年ずっと、下刈り、間伐、枝打ちとかわるがわる作業をしてきた山なので、さらに手を入れるまでもないのですが、山を子ども達に残す前にきれいにしておきたいとの90歳翁のおそらく最後の仕事依頼です。

初日は山の入り口がボサにおおわれて、暗く歩きにくくなっているのをミキちゃんと二人で刈り払ってサッパリさせました。
翌2日目は山裾から中腹まで下刈り。冬なので常緑樹の幼木や笹を刈り払うだけで済ませ、間伐を見逃した木にマーキングして次から切り倒す作業に入ることにしました。

登り口にはユズや夏ミカンの木があって山主さんもちょくちょく現れるので下刈りも念入りに

 

2俵120㎏の餅つき、疲れた

2023.12.23-24

鳩里庵の暮れの恒例行事、餅つきをしました。もう20年近く続けているのですが、年々参加者が増えてきて最近は餅が足りなくなって2回もやるという事態になっていた。で、今年は2日連続で計120㎏(2俵)の餅米をつくことになった。

1日目、朝5時に火をおこし、搗きはじめたのが6時半。それから午後4時まで80㎏41臼の餅を搗きました。搗き手と相の手は手練れがいたものの、餅をうまく伸す人材が足りず不細工なのし餅が続出する始末になってしまった。
2日目は参加者が少ないので40㎏の餅米を一杯やりながらゆっくり、昼までに搗くことができました。
準備から後片づけまでほぼ1週間、さすがにヘトヘトになりブログを書くのもこれが精一杯。

餅米120㎏66,000円。酒類、食料もどっさり

1日目、80㎏の餅米を洗って90ℓのポリバケツに2杯用意

朝5時、まず火をおこしてたっぷりの湯を沸かす

1回に搗く餅は2升、それを二つに分けて伸す

子どもには貴重な体験になったでしょう

 

切株をチルホールで引っこ抜いた

やったぜ!


2023.11.29

寸庭のわさび田の中に残されていた杉の根っこ5本を3日がかりで引っこ抜いた。

伐採されてから何年も経って腐りかけているものの径40〜50㎝もある切株なので、ちょっとやそっとでは取り除けそうもない。で、知り合いの梅ちゃんにチルホールを借りることにした。0.75トンの牽引力があるのでスナッチ(滑車)で倍力に使えば1.5トンのパワーが出せる。

初日、ミキちゃんがとりあえず小さめの切株の周りを掘り返してツルハシで動かしてみると、オーッ!動いた!! 気合いの入ったミキちゃん、パワー全開でツルハシに力を込めると切株はミシミシと持ち上がりました。ウーマンパワー恐るべし、団塊ジジイの力のおよぶところではありません。
しかし、残りの株は手強く、ツルハシやバールを突っ込んでもさすがにビクともしません。まず切株の周りの土砂を掘り除き、太い根をヨキと根切鋤で切断、それからワイヤをかけてチルホールで引っこ抜きました。掘り返した根っこはしばらく放置して乾いて軽くなってから片づけます。これでわさび田復旧作業の第3段階完了です。

水を引き入れて土砂を軟らかくして掘り起こし

まず太い根を根切鋤で根気よく切断

なんとか6人工で5本の切株を引っこ抜いた

 

鳩ノ巣駅前でわさびを直売

2023.11.23

鳩ノ巣駅前にある食堂「さんらく」で野菜の直売をしてるので、われらのわさびも置いてもらうことにしました。

登山客や渓谷散策に来たお客さんがビールなどを求めたついでに店先に並べたわさびや野菜を買っていってくれます。勉ちゃんがイモから作ったコンニャクも人気です。
さんらくは春から初冬の観光シーズンの土日しか営業していないので、われらの売上げも申し訳程度、店でつい一杯やってしまうので収支はトントンです。

月や日によって並べる品物もいろいろ、でも新鮮で格安

お店で売る前にわさび田に行き売る分を採ってきます



月は出なくとも鳩里庵で「月見の宴」

2023.11.11

ほとんど新月だった11日夕、鳩里庵で「月見の宴」が開かれた。山岳部のOBと学生が親交を深めるイベントで90年も続いている伝統行事。ところが10年ほど前からキャンパス内では“飲酒まかり成らぬ”ということになって大学近所の居酒屋を会場にしていたものの盛り上がりがイマイチだった。で、昨年は鳩里庵で開いたところ好評で、また今年もということで25人が集まった。

学生がセッティングしてOBを接待するのが慣例の宴だが、昔のガスコンロの火のつけ方、薪割り、炭のおこし方など、今時の学生さんが知らないことも多くて、70歳過ぎのOBが手取り足取りして教える場面も。宴たけなわともなれば昔は猥歌のオンパレードとなったものだが、昨今は女性もいるし上品な飲み会です(20歳以下だとうっかり酒も勧められないしナ)。まあ、それはともかく久しぶりに楽しい宴会ができました。

鍋物やBBQの味はどうかと危惧していたけど、まあOK

 

全国わさび品評会に行ってきた

2023.11.9〜10

 静岡市で「全国わさび品評会」が開かれたので、奥多摩わさび栽培組合の仲間と行ってきた。
 貸切バスで朝7時に奥多摩を出発、三々五々、12人の組合員を拾って高速道へ。バス内は禁酒なところを特別許可にしてもらい、組合長の挨拶もそこそこにまずは乾杯。缶ビールや一升瓶が次々に回ってきて旅行気分が盛り上がります。もっともみな高齢者でトイレが近いから呑む量もほどほどです。

 会場のグランシップ静岡へ11時半に到着、早速、全国のわさび栽培家から寄せられた161点のわさびを鑑賞しました。相変わらず静岡産が優勢で、トップ三賞を独占していた。午後は表彰式につづき「ワサビの生産安定化に向けた技術的アプローチ」という専門家の講演。夕方からお待ちかねの懇親会。われわれは岐阜・大垣の栽培家たちと円卓を囲み情報交換しました。

 翌日はわさび栽培発祥の地として有名な有東木《うとうぎ》の「井戸頭」の田を見学。わさび田に流している水を飲料水にもしているので大変気をつかっているとのこと。植えている密度がわれわれの倍近いのには驚いた。生憎の土砂降りでしたが、昼に出された精進料理の弁当が実に美味しかったので気分がほっこり。

岩手県から山口県までの全国から寄せられたわさび161点

静岡県勢が上位を独占、悲しいことに奥多摩は出る幕もない

大臣賞を取ったわさび。色形だけでなく味も審査する

有東木の井戸頭、ここからわさび栽培が全国に広まった

いかにも心のこもった“ご馳走”に感心